The World of M

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「美しいものを見に行くツアーひとり参加 」益田ミリさん著 新たな旅の楽しみ方を知る

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以前ご紹介した益田ミリさんの国内ひとり旅の本に感化され、海外ツアー旅行の体験記を綴ったエッセイも読みました。こちらは今年の夏に発売されたばかりなのですね。これも同じく、自粛期間中に旅に行きたい願望を満たすためにジャケ買いしました。

 

こちらの本も、益田さんがおひとりで、世界中にある美しいもの、いつかは見てみたいと思うものを実際に見に行かれる体験記エッセイです。また、個人的には団体ツアーの面白さを発見し、目を開かせてくれた一冊となりました。

 

以前書いた益田さんの本に関する記事はこちらです。

 

worldofm.hatenablog.com

 

一度はみてみたいと思うような世界の観光地。例えばドイツのクリスマスマーケットやリオのカーニバルなど。そのような「見聞きしたことはあるけど行ったことのない場所」へ、益田さんがおひとりでツアーに参加されて旅をされた体験記です。

私は20代のころは、海外旅行=現地にいる友人に会いに行く もしくは 海外の友人と落ち合う ことが目的だったので、純粋に観光をするということにあまり焦点をおかずにきました。

思い返せば20代の頃は、人との交流がメインだったので、自分が知っている人がいない国(=自分のことを現地で面倒見てくれる人がいない)は、興味すら持ってこなかった自分を、結構反省しています。

 

益田さんがツアーを選ばれたのは、ご自身が目的とするものを手っ取り早く見られることだそうで、また、日本からの団体ツアーにおひとりで参加されることで見える、ツアー客同士の交流も描かれていて、とても面白かったです。

 

中でも特に印象に残っているエピソードは、台湾を旅された時のランタンフェスティバルの模様です。描写からも、きっと想像を絶するほど美しかったのだろうというのが伝わり、そこで生まれる現地の方との交流も興味深かったです。また、台湾での一説で、故宮博物館で同じツアー団体のみなさんとはぐれてしまうご経験も、あるあるでなかなか面白かったです。

他に、特に興味をそそられたのは、赤毛のアンの舞台と言われるプリンス・エドワード島の旅。私は子どもの頃、赤毛のアンが大好きでした。舞台となった島の美しさや、実在したアンのモデルになったであろう場所や出来事など、ツアーで回られている様子がとても楽しそうで、心惹かれました。

 

国内ひとり旅の本同様、旅先での人間関係もまた本の楽しみのひとつで、同じツアーに参加された方々との交流も面白かったです。特に、長距離のバス移動が多いツアーでのトイレ事情など、想像に難くない現実味のある描写も多々ありました。

参加されている方々の旅への思いなど、旅行中しかご一緒じゃないからこそ生まれる交流の描写も読み応えがあり、ツアーでは割と年配でひとり旅で参加される方が多いことも知りました。確かにひとりでは、自分の力だけではいけないところもたくさんある。ツアー旅行はどんな人にでも気軽に参加して、見てみたいものや行ってみたいところへ連れて行ってくれる、そんな魅力があることを初めて知りました。

 

この本は割としっかり旅の描写部分もあり、益田さんの旅行術も記載されていたのでそれもまた参考になりました。私も海外旅行慣れしているつもりでしたが、真似したいと思う荷物の整理術や、持って行くと便利なものグッズも多々ありました。

自分というフィルターだけでみていると、なかなか気がつけない新しい旅の視点に気付かされたと、改めて思うのでした。