The World of M

大好きなことやもの(演劇・読書・ときどき日常)を徒然書いています

大人になってから読む&観る「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」 自分を・他者を正しい方向へ導くこと

 

f:id:mizuki021190:20210102220542j:plain


大人になってから再度読んでいるハリー・ポッターシリーズ。子どもの頃、このアズカバンの囚人が一番面白い!と感じたことは覚えていますが、ストーリーは案の定あまり覚えていませんでした。今回、アズカバンの囚人を一気読み、そして映画も観ました。映画は実は初めて観ました。

アズカバンの囚人は、ハリーを狙う、とされている囚人 シリウス・ブラックや、父親の旧友たちとの出会いを通して、ハリーが自分の父親・母親が殺された真相を知ります。そして、自分が今まで知らなかった父親・母親の存在にも、触れることにより、心の拠り所を見つけていきます。

このストーリーは、前2巻とは、少し違う冒険ですね。ホグワーツに戻るところから、恐怖を味わうシーンも多くありますが、素晴らしい先生との出会いとその指導で、自衛をすることと、自分の中に眠っていた才能を花開かせる、大切なストーリーでもあります。過去を紐解き、正義を追求するために、頭をひねって時空を超え、自分の名付け親を救い出します。

 

割とダークになっていくこの巻ですが、真相を追求し、正義を貫こうとするハリーの姿と、それを最終的に隠蔽することにする政府。真実を知るものと、都合の良いように社会でのストーリーをでっち上げる大人たち。改めてハリー・ポッターシリーズの中では、人間社会の残念かつ政治的ところも多く描かれていて、本当に子どもの頃どれだけ理解していたのだろう、と自問します。

 

アズカバンの囚人に出てくる、闇の魔術の先生、ルーピン先生との出会いが、ハリーやハリーの周りの生徒たちを生き生きとさせます。個人個人の能力を伸ばす、素晴らしい教育方針と、自信をつけさせる実践の数々。良い先生との出会いは、その後の人生を変えますね。ルーピン先生との出会いを皮切りに、名付け親であるシリウスと出会い、理解し合えたこと。ハリーにとっての本当の家族と、彼らからの理解を得られることが、その後の人生の自信につながるのですよね。

良い先生や上司との出会いは、誰に、どのタイミングで訪れるかわからないし、影響を与えられた出会いや学びがあったかどうか、気づかずに過ぎていくこともあるのかもしれません。でも、理不尽な指導ではなく、自分のことを思っての指導やフィードバックの大切さ、そして本人がそれを受け入れ、学びに変えていく力の大切さを、気付かされた気がします。そういう学びを、最終的に自分の自信に変えていくことも、本人次第。改めて、今自分が置かれている状況じゃ、人間関係の中で、正しく導いてくれる人が周りにいるのか、もしくは、自分がそういう影響を与えられる人間になれているかどうか、、顧みてみるきっかけにもなるのではないでしょうか。

 

そして、実は映画は初見でしたが、鑑賞しました。驚いたのは、監督が違うとこんなにも作風が違うのか、ということです。登場人物はほとんど皆同じなのに、世界観が大きく代わり、よりミステリアスなものを作り上げていて大変驚きました。それにしても、あれだけの情報量の本を、2時間強にまとめて発信するなんて、やはりすごいです。それに伴う脚本の脚色ももちろんあるけど、ちゃんとつじつまが合うようになっていますよね。

1作目・2作目は、ミステリーというよりか、ゆめゆめしい魔法の世界を表現しているように感じられますが、3作目は、主人公の周りの関係性から、自分の両親に近しかった人間との出会い、知らなかったことを知っていく過程で、作品の本質に繋がっていくことが、作風からも感じられます。

若干13歳でこの課題に立ち向かうハリーに、とてもたくさんの勇気をもらう日々です。これからますます無理難題に立ち向かい、成長していく姿が楽しみです。

 

過去のこの記事に関連する記事はこちらです:

賢者の石

worldofm.hatenablog.com

秘密の部屋

worldofm.hatenablog.com

 

 

 

ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 (字幕版)

ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

 

 

ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 [DVD]

ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 [DVD]

  • 発売日: 2014/07/16
  • メディア: DVD