The World of M

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King & Queen 展 肖像画と美術品からイギリス王室を学ぶ

上野の森美術館で開催されている King & Queen展に行ってきました。私はもともとそこまで英国王室への興味があったわけではないのですが、以前ロンドンナショナルギャラリー展に行った時に、イギリスに置ける肖像画の立ち位置にとても興味を持ち、そのご縁から今回行ってみました。あとは、明日海りおさんが音声ガイドをされているのもとても惹かれ。

結論大変勉強になり、英国王室への興味が湧きました。世界中に人気がある所以や、その歴史の深さを知ることができて光栄でした。

そして、相変わらず美術館は今とても観やすい!時間指定のチケットは本当にありがたいですね。

www.kingandqueen.jp

 

ちなみに以前のロンドンナショナルギャラリー展の記事はこちらです。

worldofm.hatenablog.com

 

イギリス王室のつながりや歴史を、肖像画を通してわかりやすく紐解かれています。肖像画の背景や衣装、表情に込められたその時代の社会情勢やその人物の性格を観察することもまた面白かったです。人物それぞれが、その時の国への思いをもち、国を治めていたこともよくわかりました。

それにしても、王室の家系図の複雑さに驚きました。世界史・ヨーロッパの方は特に、各国の政略結婚を通して広がっているところもあると思いますが、イギリスもそれなりに複雑だと感じました。

しかし、面白いと思ったのは、その当時の王たちの恋愛事情は割とオープンに語られていることです。割とスキャンダラスな事情って、歴史上でもあまり語られず、公式に「実はこうだった」ではなく「こうだったらしい」と囁かれることが多いと思うのですが、イギリス王室は割とオープンな印象を受けました。

 

ただ、度重なる様々なスキャンダラスな事情により、不運の星の元に生まれた子どもたちもいるわけで、その子どもたちも最終的に王位継承をしていくわけなのですが、その苦悩も描かれているところがまたなかなか面白く、ドラマチックでした。

王室とはいえやはり人間だから、弱さもありますよね。弱みを見せることで、逆に現代を生きる私たちが共感をすることで、時空を超えての人気を勝ち取られる王室もまた斬新だなと思いました。

 

明日海りおさんの音声ガイドでは、そのようなドラマチックな展開を、実際に様々なお役を通して進められます。より、生きた人間の声が聞こえているようで、大満足で聞けました。

 

過去の王室から現代につながる展示内容ですが、徐々に肖像画から写真に変わっていく様もまた面白く展示されていました。それにしても、1900年代は本当に怒涛の世紀だったのだなと感じます。もちろん、歴史の一部になっている20世紀ですが、20世紀に生まれている人間としては、1900年代ってそんなに遠くない昔のような気がするのです。現に、印刷や映像技術の発展から、写真や映像も残っています。

エリザベス女王が王位につかれるまでの王室の現代史も、写真を通して見るとなかなか身近に感じられ、また、現代に通ずる様々な出来事にも関わっていることから、自然と親近感が湧いてきます。

 

それにしても、ここまで世界中のファンを惹きつけるイギリス王室の最大の魅力の一つは、このような展示を通しても垣間見ることができました。特に、王室での美術品や肖像画は、ある意味とてもプライベートで、まずはその国に帰属するものだと思いますが、それを気前よく遠い日本に貸し出し、オープンに見せる勇気はなかなかのものだと思います。ある意味、このような人間味を感じられるからファンが多く、私としてはとてもプロモーションがお上手なのだなと感じた部分もあります。

そして、日本の皇室は国民からしても割とベールに包まれた存在なので、このように皇室内での生活や過去の天皇陛下のより生活感のあるお写真など、公開する機会がもしあったらとても興味深いなとも感じました。

 

King & Queen展は2021年1月11日まで開催されています。ぜひ足を運んで見て下さい。