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「ストーリー・オブ・マイライフ 私の若草物語」 愛に溢れた作品の魅力と感想

とても久しぶりに映画館に行きまして、「ストーリー・オブ・マイライフ」を観てきました。本当に良い映画でした。恥ずかしながら、私は「若草物語」を読んだことがありません(ダメですね、、)。ですが、ストーリーで置いてきぼりになることもなく、また、恋愛や人生、色々と重ね合わせて感動する作品でした。

 

以下ネタバレ含みますが私の感想をご紹介します。

映画のトレイラーとあらすじはこちらの公式ウェブサイトからどうぞ。

https://www.storyofmylife.jp/

 

 

若草物語」の次女・ジョーが、作品を書くに至るまでの観点から、家族・姉妹たち・幼馴染との絆の移り変わりも表現されているストーリーラインでした。

「幸せな結婚」(≒お金を持っている人と結婚する)ことが、女性の生きる術だと信じられていた時代に、「自分の好きなことをやり通す」ジョーの姿と、彼女の強さは、自分が心のどこかで失っていた自信や、諦めていた夢を、もう一度挑戦する勇気をくれました。

4姉妹それぞれが、人生における目標や考え方が違う中でも、4人の愛に溢れた関係性、お互いを思いやり、協力し合い行きてきた少女時代。それぞれ大人になってから気がつく、その理想とのギャップや、ずっと一緒にいられると思っていたのに、いつしか別々の道を行くことになる4人。それでも愛し合い励まし合い、互いの道を進んで行きます。

私は兄弟・姉妹はいないのですが、こんな姉妹の中で育ったならどんなに幸せだろうかと、思わざるを得ないほど、愛に満ち溢れた描かれ方をしていて、そして、本当に4人それぞれが本当に美しいのです。

 

そして、物語の主人公である ジョー の恋愛について。幼馴染の「テディ(ローリー)」と、ジョーの関係性が、あまりにも美しく、でも儚く、、きっと人生ってこういう、一瞬のすれ違いの連続で、全く違った結果になってしまう。

私は、ジョーは、自分でも、テディ(ローリー)のことが好きだと気づいているけれど、それを認めることにより、「結婚」が女性にとって全てだった時代、自分の「作家になる」という夢を、自分でどこか諦めることになるのではないか、と怖くなったのではないかと思います。

そして、幾年か経ち、「結婚」をしないと思っていたけれども、ある日とても寂しくなる。。それは、大切だった少女時代の全ての関係性が、いろんな形で別れに代わったからなのではないでしょうか。昔、自分は結婚に向いていないと思っていたから、プロポーズも断った。でも、自分がテディ(ローリー)と結婚をしたいと思った時には、もう遅かった。。

 

人生って本当に、このちょっとのタイミングと勘違いの連続ですよね。私は、「運命の人」ってひとりではないと思っています。最終的に、その人と結ばれなかったとしても、必ずその人との関係性の中で発見した新しい自分がいて、新しいドアを開くきっかけになることもありました。

でも、ジョーとテディ(ローリー)の関係の中での、お互いへの思いや、すれ違いが、とても痛いほど心に響き、でも、きっと、人生も、恋愛も、きっとそうなのですよね。だからみんな共感して感動するんですよね。

 

自分に自信を失い、人生を見失う時期もありながら、妹のひとりとの別離をきっかけに、また執筆に励むジョー。そして、そこから新たな夢を見つけ、実現させていく姿が描かれています。

私たちも生きていると、うまくいかないことや自信がなくなることがたくさんある中で、4姉妹それぞれの持っている芯の強さ、人生に重きを置くものを貫き通すそれぞれの姿。アップダウンがありながらも、それぞれ自分が決めた道を、前向きに歩むことができる人は、美しさに満ちていると感じました。

そして、その4人を見守る周囲の愛もまた暖かく、美しく、、、本当に素晴らしい作品に出会うことができました。

 

ぜひ観て頂きたい映画のひとつとなりましたので、こちらでご紹介させて頂きます。

映画館での鑑賞も、まだまだ規制が多い中ですが、みなさまどうぞお気をつけて、楽しまれてください❤️