The World of M

大好きなことやもの(演劇・読書・ときどき日常)を徒然書いています

宝塚歌劇との出会い 中日劇場公演の思い出

思い返してみれば、本当に恵まれていた私の幼少期。

私の母は、教養のため、宝塚だけではなく、歌舞伎やお能、お芝居、東宝ミュージカル、劇団四季、シルクドゥソレイユなんかも、「理解ができなくても良いから観て、教養をつけること」を目的とし、名古屋近郊でそれらの巡業公演がある際、必ず連れて行ってくれました。

母への感謝と尊敬の念を綴り始めたら終わらなくなってしまうので、一行だけ。本当に私は母のことは世界で一番尊敬をしています。

 

前回宝塚との出会いについて書かせていただきましたが、私の初観劇は名古屋の中日劇場で、それ以来、私にとって宝塚は「2月になったら名古屋にやってくる」ものでした。(クリスマスかw)そして2月生まれの私は、いつしか「誕生日プレゼントに宝塚公演に行かせてください」と懇願してました。

 

当時小学生なんで当たり前なんですけど、大劇場に行くまでの財力も行動力もあるわけがなく、当時インターネットも発達していない時代。宝塚に関する情報元は、毎年2月の中日劇場公演のみでした。なので、毎年2月に名古屋にやって来た組と、そこで演じているタカラジェンヌの皆さんが、宝塚の全てだと思っていました。

今日はそんな私と、宝塚中日劇場公演の思い出のお話です。

 

観劇した公演、本当に今でも覚えているものです。

宙組望郷は海を越えて / ミレニアム・チャレンジャー!

お芝居の内容は多分半分くらいしか理解していなかったんだと思います。それでも、今でも覚えてるシーンは、花總まりさんが演じる「エカテリーナ2世」が、皇帝になり、大階段を降りてくるところ。

当時、小学生向けの世界についての図鑑を持っていて、公演後にその図鑑でロシアのページを開いたら、「大黒屋光太夫」(和央ようかさんが演じられた海人さんのモデルになった人物)とエカテリーナ2世のことが載っていて、もうなんかすっごく嬉しくなった思い出。

もちろん主題歌CDを買ってもらい、「和央ようかごっこ」しましたよ。ミレニアム・チャレンジャーなんて今でも全部そらで歌えます。

 Amazonで調べたら、今DVDも売ってるんですね。当時VHSが欲しかったのに絶対に買ってもらえなかったな〜。

 

その後しばらくは、学校や塾で「尊敬する偉人は?」と聞かれると「エカテリーナ2世」と答えていました。

「何をした人なの?」と聞かれると

「自分の旦那さんである王様を倒して、自分が王様になった人」(小学生の語彙力。。)

と答えると、先生は、

「その人は、『革命』を起こしたんだね」

と仰いました。

私、『革命』という言葉をそこで初めて覚えました。

宝塚の刷り込みの偉大さよ。。。日本史も世界史も、宝塚を始めいろんなお芝居を見て、教科書の内容と重ね合わせて覚えていた気がします。

 

その後中学に入ると、勉強と部活に明け暮れ、中日劇場公演には行かなくなりました。たまにBSでやってる宝塚中継(しかも知ってる名前のトップスターの時だけなので、愛華みれさんと和央ようかさんしかわからない)を観るぐらいになりました。

 

ちなみに中日劇場とは関係ありませんが、私の初恋、愛華みれさんの花組公演「〜愛と孤独の果てに〜ルートヴィヒII世」がBSでやってたことがあって、もうビデオ擦り切れるほど見ましたね。本当にあの作品は美しい、美しいの一言につきます。

 

ルートヴィヒII世/Asian Sunrise [ビデオ]

ルートヴィヒII世/Asian Sunrise [ビデオ]

  • 発売日: 2001/02/10
  • メディア: VHS
 

 

教科書にもあまり出てこない歴史上の人物ですが、もちろんテレビで見た後は、自分の中でのルートヴィヒII世フィーバーがあって、

「好きな偉人は?」「ルートヴィヒII世!!」「何した人?」「お城を建てた人です!!」と言って先生が困惑していました。

余談なんですけど、私、タカラジェンヌはみんな好きですが、特に、月組の紫門ゆりやさん(ゆりちゃん)が好きなんです。

ゆりちゃんが毎回宝塚おとめに「演じて見たい役:ルートヴィヒII世」と書いているので、もうぜひ、劇団さん、1シーンだけでも良いからルートヴィヒII世をゆりちゃんで再現してください、本当にお願いします。年末の大劇場公演でも、「コードネーム、ルートヴィヒ」って言ってもう超かわいい顔してたじゃないですか。タカスペとかでゆりちゃんがルートヴィヒII世やってくれないですかねほんと。

 

まあそんなこんなで、脱線し過ぎましたが、気づいたら部活に明け暮れる中学時代が終わり宝塚もすっかり頭から消え、最後に中日で見たのは、

月組あかねさす紫の花/REVUE OF DREAMS」でした。

 

『あかねさす紫の花』『REVUE OF DREAMS』 [DVD]

『あかねさす紫の花』『REVUE OF DREAMS』 [DVD]

  • 発売日: 2006/04/20
  • メディア: DVD
 

 

どの過去の公演も、今みて思うんですけど、結構錚々たるメンバーが配役されてますよね。悔やまれるのは当時はそんなことわかってないからなあ・・・。

私の中での人生における優先順位は、いつしか海外留学とか勉強に向いていて、宝塚に対する興味も一回落ち着いていました。

 

この公演を観劇したのを最後に、私は海外留学したり、進学で東京に出たり、また海外移住したりと、まあ、しばらく宝塚とは遠く離れた青春時代を過ごすことになるわけです。

それでも、心に残る宝塚作品があって、時を超えてまた宝塚を観るようになり、楽しんでいること、この原点は本当に、中日劇場にあるよなあ、と思います。

 

残念ながらもう閉館してしまった中日劇場ですが、宝塚だけじゃなくて、中日ではいろんな作品を見ました。大地真央さんのマイ・フェア・レディも見に行ったのよく覚えてます。

名古屋での集客が難しいと言われる演劇界。「名古屋飛ばし」なんて言われるそうですが、子どもたちに、もっと文化に触れる機会を与え、豊かな教養を身につけるきっかけが、いかなる形でもまた、名古屋をはじめ、東海地方で叶いますように。

そして、どうか、宝塚だけでなく、演劇の世界が廃ることがありませんように。そう願ってやみません。

 

そして、時代遅れも甚だしいですが、改めて、ありがとう中日劇場!!