The World of M

大好きなことやもの(演劇・読書・ときどき日常)を徒然書いています

宝塚歌劇との出会い 花組公演「タンゴ・アルゼンチーノ」

私の人生で大切なものの一つが、「宝塚歌劇」です。

 

物心ついた頃から、宝塚は生活の中にあったのです。私は平成初期の生まれなのですが、小さい頃、衛星放送(時代、、、今はBS放送)で、お昼過ぎに宝塚放送してたことがあったのです。当時の詳細はあまり覚えてませんが、幼稚園に入る前の頃から、お昼過ぎには宝塚の放送があって、とにかく放送が始まったら見ていました。

 

当時、宝塚に入りたいと毎日言っていた私に、戦前生まれの祖父が

「宝塚の人はね、百人一首から芸名をつけるんだよ」とか

「宝塚出身の方はお嫁さん候補として人気があるんだよ」とか

そういうことを幼い私に教えてくれました。

 

当時みた映像、未だに鮮明に覚えている映像が一つだけあります。多分オペレッタだと思うのですが、娘役の方が、恋人か兄弟の身代わりで、男の格好をしていて、お金持ちの夫人に愛されに行くというシーン。そして、その公演キャストの一覧の中に「水夏希」という表記がありました。(でも本当にこの作品、一体何だったのか今でも全くわからない。。下手すると幻かもしれません。。。)

私は子どもの頃から、「音感があるのではないか」という、両親の大いなる勘違いと期待のもと、ピアノに歌、和太鼓など本当にたくさんの音楽に関する習い事をしていました。

特に私は歌が好きだったのと、レッスンを受けてるから当たり前なのですが、多少上手に歌えるのもあり、小学校では「歌が上手い子」でした。

もちろん井の中の蛙であった私は、「自分ほど歌が上手い人はこの世にはいない」という思考回路を持つように育ち←、そんな根拠もない意味不明た天狗になっていた10歳の頃、地元の中日劇場で初めて宝塚を生で見る機会がやって来たのです。

 

幼少期に宝塚をテレビで見た記憶はあるものの、当時は理解も何もしていないし、そもそも幼少期の「お昼の衛星放送」は学校があるから見なくなっていました。

中日劇場に行く時、「劇場でスカウトされちゃうかもよ〜(笑)」という叔母たちのお世辞を結構本気で鵜呑みにし、「宝塚と言ったって、私の方が歌が上手いに決まってるわ」という本当に謎な自信を持って中日劇場に行きました。(ほんと何ちゅー考え方をしているのか笑)

そこで私の人生が変わるとも知らずに。。。

観劇したのは、当時の花組公演「タンゴ・アルゼンチーノ」でした。

今でも鮮明に覚えている光景、それは、中日劇場の2階席の端から、オペラ越しにのぞいた、愛華みれさんと匠ひびきさんのタキシード姿。幕が開いて歌が始まった瞬間、オペラを覗きながら、涙を流しました。その世界が美しすぎて、そして、「自分より歌が上手い人がいる」ことが悔しくて。

当時10歳の私にとって、あの大人の入り組んだ恋愛模様やヨーロッパの世相を反映したストーリーを理解することは無理でした。

でも、今でも目に焼きついているあの光景、私の宝塚とのつながりの、本当の原点なのだと思います。

 

当時、主題歌CDというのが売っていて(わかる人はわかるはず!縦型の、ちいさいCDでした)それを観劇後に母に買ってもらい、家でエンドレスリピートをしては、「愛華みれごっこ」をして遊び、学校では「私は将来宝塚のトップスターになる!!」と言っていたものです。

 

その後結局宝塚を本格的に目指すことはなかったのですが、今、まさに舞台に立っているタカラジェンヌのみなさん。同世代で活躍されている方がほとんどで、「私があの時みた夢を、叶えている人がいるんだ」と思うと、自分と重ね合わせて、本当に尊敬し、そして応援しないわけには行かないのです。

それぞれの人生がある、でもその中で、自分が人生を重ねるごとに、宝塚の楽しみ方が変わって行く。ファンの方、共感してくださる方もいるのではないでしょうか。

 

このブログ、自分語りになりがちになるかもしれませんが、どうぞみなさんが楽しんでいただいたり「懐かしい」と思っていただいたりできる、そんなページになると良いなと思っています。

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